「興行」から「特定技能」へ:フィリピン人の来日労働者の歴史と特定技能制度の役割
- reingnagao
- 2 日前
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目次
1. はじめに:フィリピンからの海外出稼ぎ(OFW)の歴史的背景
フィリピンは、1970年代のマルコス政権時代から、外貨獲得と国内の失業率解消を目的として、組織的に海外への労働者送出(出稼ぎ)政策を推進してきました。
海外フィリピン人労働者(OFW: Overseas Filipino Workers)は、家族を支える英雄として国全体から認知されており、彼らからの海外送金はフィリピン経済の重要な柱となっています。
日本も、フィリピン人労働者の主要な渡航先の一つであり続けてきましたが、その在留資格は時代とともに大きく変遷してきました。
今でこそ「技能実習」や「特定技能」が日本で働きたい、技術を習得したいフィリピン人の
主な在留資格でしたが、過去には「興行」の在留資格を持っている多くのフィリピン人がいました。
今回は、八王子市でRe.ing行政書士事務所を営む、フィリピン人ハーフの行政書士が
在留資格「興行」と「特定技能」について解説します
2. 「興行」在留資格が主流だった時代
1980年代後半から2000年代初頭にかけて、日本に来日するフィリピン人労働者の多くは、「興行(エンターテイナー)」の在留資格で入国していました。
これは、日本の夜間興行施設などにおけるダンサーや歌手としての就労を目的としたものであり、当時はこの在留資格が、実質的な単純労働の受け皿となっていた側面がありました。
しかし、「興行」ビザの乱用や、労働環境・人権問題などの懸念が高まったため、日本の入管法は改正され、「興行」ビザの要件は厳格化されました。
これにより、このルートを通じた大規模な外国人材の受入れは事実上終焉を迎えました。
3. フィリピン政府によるOFW保護政策の変遷
フィリピン政府は、OFWの送出増加に伴い、彼らを搾取や危険から守るため、DMW(移住労働者省、旧POEA)を中心とする厳格な保護制度を確立してきました。
特に、アキノ時代やラモス時代には、OFWに対する経済的・社会的支援、そして海外での安全確保に関する取り組みが強化されています。
現在のOEC(海外雇用許可証)制度やDMWへの雇用主登録制度も、このOFW保護政策の一環であり、受入機関の適正性や労働条件の最低限の保証をフィリピン政府がチェックするための仕組みです。
4. 特定技能制度の登場と「労働力」としての位置づけ
2019年に創設された特定技能制度は、従来の「技能移転」を目的とした技能実習制度や、特定の分野で限定的に使用されていた在留資格とは異なり、明確に日本の人手不足解消のための「労働力」として外国人材を受け入れるための制度です。
これは、かつての「興行」ビザが実質的に果たしていた「労働力」としての役割を、透明性が高く、かつ外国人材の権利がより保護された形で、建設、介護、農業など特定12分野で受け入れることを可能にした画期的な転換点と言えます。
5. DMW/OEC制度の存在意義と外国人材の保護
フィリピン人特定技能外国人の採用において、DMWへの登録とOECの発行が必須とされるのは、過去の歴史を踏まえたフィリピン政府の強い意思の表れです。
DMW登録: 受入機関が、フィリピン政府の定める基準を満たした適正な雇用主であることを証明する。
OEC発行: 特定技能外国人が不当な契約やブローカーを介さず、政府が承認した正規のルートで海外就労することを確認する。
この二つの手続きは、日本の入管法上の手続きと並行して進める必要があり、国際的なコンプライアンスの遵守が求められます。
6. 歴史から学ぶ:特定技能採用におけるコンプライアンスの重要性
過去の「興行」ビザを巡るトラブルの教訓は、外国人材の受入れにおいて法令遵守と透明性が最も重要であるということです。
特定技能制度は、外国人材の権利保護を徹底しており、受入機関には、支援計画の実施や適切な労働条件の提供が義務付けられています。
Re.ing行政書士事務所は、フィリピン人採用におけるDMW/OEC手続きの専門知識に加え、日本の入管法および労働法規に基づく適切な雇用を支援します。
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7. まとめ
時代 | 主な在留資格 | 制度の目的 | フィリピン政府の対応 |
過去 | 興行(エンターテイナー) | 特定分野での労働力確保(非公式) | 人権問題などに対応するため保護強化 |
現在 | 特定技能 | 特定産業分野の人手不足解消(公式) | DMW/OEC制度による厳格な管理・ |






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