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【保存版】個人事業主から法人へ|建設業許可を引き継ぐ手続きと注意点を徹底解説

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目次




1. はじめに|法人化と建設業許可の関係


個人事業主として建設業許可を取得し、

「そろそろ法人化しようかな」とお考えの方も多いかと思います。

実際、税務上のメリットや取引先からの信用向上など、法人化には多くのメリットがあります。

しかしここで大きな誤解が起きがちなのが、

建設業許可は法人化してもそのまま使えると思っているケースです。


結論からいえば、そのまま使用はできませんが、

一定の要件を満たして所定の認可を受ければ、許可番号や業種を承継することは可能です。



2. 原則:許可は個人と法人で別物


建設業許可は「営業主体」に対して発行されるため、

個人の許可は法人には自動では引き継げません。

つまり、法人を新設した時点で「新たに法人としての許可申請」が原則必要となります。



3. 法人設立後に必要な手続きとは


法人化後、建設業を継続する場合は以下のステップが必要です:

  • 法人の新規建設業許可申請(または承継認可申請)

  • 個人許可の廃業届出

重要なのは、「空白期間をつくらないこと」です。工事契約の受注や実施は建設業許可が有効な間しかできませんので、タイミングをしっかり計る必要があります。



4. 許可番号・業種の引き継ぎは可能か?(認可手続きの重要性)


令和2年の建設業法改正により、「建設業許可の承継に関する認可制度」が創設されました。

この制度により、以下の条件を満たせば、法人化後も個人事業主時代の許可番号・業種を引き継ぐことが可能です:

  • 承継に関する事前の認可申請を行い、認可を受けること

  • 承継先が建設業許可要件(経営業務の管理責任者、専任技術者、財産的基礎)を満たしていること

  • 営業が継続していること(実態として事業が継続している)

ただし、認可を受けずに法人化してしまうと、新規許可となり番号は引き継げません。



5. 事業継続認定申請と認可制度の活用


承継認可制度を利用することで、事業継続性が明確になり、対外的信用の維持にもつながります。

提出書類例:

  • 個人の建設業許可通知書の写し

  • 工事契約書や請求書等の実績資料

  • 法人と個人の代表者が同一であることの証明(履歴事項全部証明書 等)

  • 承継理由や今後の事業計画書

この手続きを経て認可されることで、従前の許可番号や業種のまま法人に承継することが可能です。



🔥 6. よくある失敗とそのリスク(個人事業主編)


個人事業主が法人化を行う際、建設業許可の承継においては思わぬ落とし穴が潜んでいます。以下に、実際によく見られる失敗とそのリスクを紹介します。

❌ ケース①:認可申請せずに法人設立 → 番号引き継げず新規扱いに

「個人で建設業許可を持っているから、そのまま法人化しても使えるでしょ?」と考えていた事業主が、認可申請を出さずに法人を設立してしまったケース。結果、許可番号を引き継げず、新規許可扱いとなり実績もリセット。それに気づいた元請けが発注を取りやめる事態に。

❌ ケース②:空白期間に営業 → 無許可営業に

法人設立後すぐに営業を開始したが、許可の取得が完了していなかったため、無許可営業として行政指導を受けたケース。建設業法では、500万円以上の工事(建築一式は1,500万円以上または延床面積150㎡以上)は許可がないと請負ってはならないと定められています。

❌ ケース③:司法書士にしか相談せず、承継不能に

「とりあえず法人登記だけ先に」と司法書士に依頼して設立を進めたが、発起人が個人許可の保有者ではなかったため承継認可が不可に。また、定款の目的に建設業が記載されていなかったため、あとから変更登記が必要となり、余分なコストと時間が発生。

❌ ケース④:経営業務の管理責任者が要件を満たさない

法人の代表者に「名義だけ」の親族を就任させたが、経営業務管理の実績が認められず、経管要件で不許可になったケース。経管は「常勤性」や「実務経験年数」が問われ、形式的な肩書だけでは認められません。

※ 法人成りの際に承継認可を受けるには、**承継前の建設業許可を持つ者が法人の発起人(かつ原則として代表者)となっている必要があります。**代表者や構成員が異なると、実質的な承継とはみなされず、承継認可が下りない可能性があります。



7. まとめ|法人化と建設業許可の正しいステップ


個人で取得した建設業許可は、法人には自動では引き継げません。しかし、令和2年以降の改正により、事前に認可申請を行うことで、番号・業種・実績を引き継ぐ形での許可継続が可能となりました。

建設業許可の取り直し=ゼロからではなく、認可制度を活用すればスムーズに事業承継ができます。

Re.ing行政書士事務所では、法人化に伴う建設業許可の承継認可手続き、新規許可申請、各種書類作成までトータルでサポートいたします。

お気軽にご相談ください!


ただの手続きだけでなく、人事戦略や、キャッシュフローの改善等もご相談下さい


【参考資料】

  • 国土交通省「建設業法施行規則の一部を改正する省令」(令和2年10月施行)

  • 建設業法第3条第1項、第17条の2、第17条の3

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