【入門】建設業許可は本当に不要?「軽微な工事」の定義と許可取得が必須な境界線|事業成長の鍵
- reingnagao
- 11月17日
- 読了時間: 6分

はじめに:許可なき建設業が直面するリスク
建設業を営む経営者の皆様は、「うちは小規模だから許可はいらない」と考えていませんか?
確かに、建設業法には「軽微な工事のみを請け負う場合」は許可が不要であると規定されています。しかし、この「軽微な工事」の定義を誤解していると、知らず知らずのうちに違法な営業となり、罰則の対象となるだけでなく、行政指導や事業停止のリスクを負うことになります。
事業を安定的に成長させ、元請業者や金融機関からの信頼を得るためには、適切なタイミングでの建設業許可取得が不可欠です。
本記事では、許可取得が貴社の経営にもたらすメリットを解説します。
許可が必要なのか不要なのか境界線の判断は、事業の未来を左右する重要な経営判断です。
複雑な許可要件や書類準備に時間を奪われる前に、ぜひRe.ing行政書士事務所にご相談ください。
目次
1. 許可なき建設業が直面するリスク
建設業許可がない状態で、軽微な工事の基準を超える工事を請け負うことは、建設業法違反となります。
罰則: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金(建設業法第47条)。
信用の失墜: 違法行為が公になれば、元請業者や発注者からの信用は失われ、取引停止に繋がりかねません。
融資の困難: 金融機関は許可の有無を企業の安定性・信頼性の重要な指標としており、許可がないと融資の審査で不利になることがあります。
入札参加の制限: 公共工事の入札参加資格は、建設業許可を取得していることが前提となります。
これらのリスクを回避し、合法的に事業を拡大するためにも、「軽微な工事」の定義を正確に把握しておく必要があります。
2. 建設業法上の「軽微な工事」とは?
建設業許可が不要となる「軽微な建設工事」とは、建設業法第3条第1項ただし書きにより、以下のいずれかに該当する工事を指します。重要なのは、工事の種類によって金額基準が異なるという点です。
この基準は、消費税及び地方消費税を含めた請負代金の額で判断されます。また、材料費を発注者が提供する場合(材供)であっても、その市場価格または取得価格を請負代金の額に合算しなければなりません。
3. 軽微な工事の具体的な金額基準(建築一式/その他)
建設工事は、その内容により「建築一式工事」と「その他の建設工事(専門工事)」に大別され、それぞれで軽微な工事の基準が異なります。
3-1. 建築一式工事の基準
「建築一式工事」とは、複数の専門工事を組み合わせて一体として建設されるもの(例:新築、増改築工事)を指します。※基本的には建築確認が必要な工事のイメージです
以下のいずれかに該当する場合に「軽微な工事」とみなされます。
請負代金の額が1,500万円未満(消費税及び地方消費税を含む)
延べ面積が150平方メートル未満の木造住宅工事(木造以外の建築物はこの面積基準は適用されません)
なのでよくある勘違いとして
「建築一式工事」の許可を取れば、他の専門工事も全て受注できるというのがありますが
そういう訳ではありません
3-2. その他の建設工事の基準
建築一式工事以外の28の専門工事(電気工事、内装仕上工事、とび・土工工事など)については、以下の基準が適用されます。
請負代金の額が500万円未満(消費税及び地方消費税を含む)
この500万円という基準が、多くの建設業者が最初に超えることになる「許可取得の境界線」です。元請け・下請けに関わらず、請け負う工事が一度でもこの基準を超えた場合、許可が必要になります。
4. 許可取得が「経営の安定」に繋がる理由
たとえ現在の事業規模が軽微な工事に収まっていたとしても、許可を取得することで得られるメリットは沢山あります。
信用の獲得: 建設業許可は、国や都道府県が定めた厳しい要件(経営経験、技術力、資金力など)をクリアしたことの証明であり、社会的な信頼度が飛躍的に向上します。
資金調達の円滑化: 金融機関の融資審査では、許可証の提出を求められることが多く、無許可業者と比較して資金調達が有利になります。
大規模工事の受注資格: 500万円以上の工事を請け負えるようになることで、受注の幅が広がり、事業規模を拡大できます。
特定建設業へのステップアップ: 将来的に特定建設業許可(大規模な下請け発注が可能となる許可)を目指す上での第一歩となります。
5. 許可がないと請け負えない工事の事例
具体的な事例を通じて、軽微な工事の定義を確認しましょう。
事例 | 請負代金 | 軽微な工事の判断 | 許可の要否 |
A社:個人宅の給排水設備工事 | 450万円 | その他の工事で500万円未満 | 不要 |
B社:ビル屋上の防水工事 | 600万円 | その他の工事で500万円以上 | 必要 |
C社:店舗の新築工事(木造) | 1,200万円 | 建築一式で1,500万円未満 | 不要 |
D社:鉄骨造の事務所増築工事 | 1,600万円 | 建築一式で1,500万円以上 | 必要 |
特に注意が必要なのは、「分割発注」のケースです。 一つの工事を意図的に複数の契約に分けて基準以下に見せかける行為は、脱法行為とみなされ、全体で判断された結果、違法となるリスクがあります。
6. 許可取得の準備を始める第一歩
軽微な工事の基準を超え、許可が必要となった場合にスムーズに申請を進めるためには、まず「5つの許可要件」を満たせるかどうかの自己チェックが不可欠です。
経営業務の管理責任者(常勤役員等)の有無
専任技術者の配置の可否
財産的基礎(自己資本500万円以上など)の充足
誠実性・欠格要件の確認
営業所の設置
これらの要件を証明するためには、過去の登記事項証明書、確定申告書、実務経験を証明する契約書など、膨大な書類の準備が必要です。
更に過去の経歴や都道府県によって必要書類が異なるので、申請前の事前準備を確実に行うことが必要です。
7. まとめ:複雑な申請準備はRe.ing行政書士事務所へ
「軽微な工事」の境界線は、事業フェーズによって常に変化します。今後の受注計画や事業拡大を見据え、いつ許可を取得すべきかを戦略的に判断することが重要です。
「今の工事は軽微な工事に該当するのか?」
「500万円を超える工事を請け負いたいが、許可要件を満たせるか?」
「過去の役員経験で経営業務の管理責任者を証明できるか不安だ」
このような疑問や不安がある場合は、建設業許可申請に特化した専門家にご相談ください。私たちRe.ing行政書士事務所は、共にあなたの事業の成長を考え、歩み続けます。
無料相談を承っておりますので、まずは状況をお聞かせください。事業拡大と経営の安定を、Re.ing行政書士事務所が強力にサポートいたします。





コメント