特定技能生の「病気・怪我」に伴う休職・退職実務:健康保険手続きとDMWへの報告義務
- reingnagao
- 3 日前
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目次
1. はじめに:外国人スタッフの予期せぬ傷病リスクと企業の対応責任
特定技能制度の定着に伴い、日本国内で生活するフィリピン人スタッフの数が増えるにつれ、現場での労働災害だけでなく、私生活における予期せぬ大病や不慮の怪我によって、就労が困難になるケースが報告されるようになりました。言葉の不自由な異国の地で病に倒れたスタッフへの適切な初期対応は、企業の社会的責任(安全配慮義務・支援義務)を果たす上で極めて重要です。また、病気休暇や退職に伴う日本国内の手続きと、フィリピン政府側への特殊な報告実務について正確な知識を持つ必要があります。
2. 日本国内の法的手続き:傷病手当金の申請と社会保険の取り扱い
フィリピン人特定技能生も、日本人と同様に健康保険や厚生年金などの社会保険に加入しています。そのため、私傷病で長期間働けなくなった場合には、公的な保障制度を適用できます。
傷病手当金の活用:療養のために4日以上仕事を休み、給与が支払われない場合、健康保険組合等から直近の賃金の約3分の2相当が支給される「傷病手当金」の申請が可能です。企業は、本人が安心して治療に専念できるよう、医師の証明書の取得や申請書の作成をサポートする必要があります。
在留資格の維持:病気療養による休職であっても、雇用契約が継続しており、復職の見込みがある場合は、ただちに在留資格が取り消されることはありません。ただし、無収入の期間であっても住民税や社会保険料の免除・猶予手続きが必要になる点に留意してください。
3. フィリピン政府(DMW)への報告:海外就労者の労災・疾病に関する義務
フィリピン人材に特有の実務として、大きな怪我や重い病気が発生した際、フィリピン政府のDMW(移住労働者省)および日本のMWO(労働事務所)へ、状況の報告を行う義務が定められています。
報告義務の背景:フィリピン政府は、海外で働く自国民の健康状態を追跡・保護するシステムを持っています。入院を要する疾病や労災事故が起きた場合、受け入れ企業、または登録支援機関は速やかに事故報告書(Incident Report)を作成し、現地の送出機関を通じて、あるいはMWOへ直接提出しなければなりません。
不履行のリスク:この報告を怠ったまま放置すると、将来的に当該企業がフィリピン人を新規に採用しようとした際、「過去に適切な疾病対応を行わなかった企業」としてブラックリストに載り、求人承認(ジョブオーダー)が出なくなるペナルティを受ける可能性があります。
4. 本人が帰国を希望する場合の手続き:退職合意書の作成と在留資格の変更
治療が長期に及ぶ場合や、本人が住み慣れた母国での療養を強く希望する場合は、合意退職の上でフィリピンへ帰国する手続きを進めます。
退職合意の書面化:後になって「不当に解雇された」という誤解やトラブルを防ぐため、退職の理由が本人の病気療養と帰国希望によるものであることを明記した、英語またはタガログ語併記の「退職合意書」を作成し、双方で署名保管します。
入管への届出:退職から14日以内に、出入国在留管理局に対して「特定技能所属機関に関する届出(契約終了)」をオンライン等で提出します。本人が日本国内での治療を辞めて完全に帰国する際は、空港の出国審査時に「再入国許可」を申請せず、在留カードを返納して出国させる形をとるのが実務上最も確実です。
5. まとめ:不測の事態における迅速な法務対応はRe.ing行政書士事務所へ
特定技能生の病気や怪我への対応は、日本の労働法、社会保険制度、そしてフィリピン政府独自のOFW保護ルールの三つが絡み合う、非常に難度の高い実務です。
企業の担当者様だけで抱え込むと、手続きの漏れから思わぬ法的リスクを招くことがあります。
Re.ing行政書士事務所は、傷病発生時の入管への報告手続きのアドバイスから、MWOへの英文報告書の作成、退職実務の書面サポートまで一貫して支援します。不測の事態においても、企業と外国人スタッフの双方を守るための迅速なリーガルサポートを提供いたします。







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